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フィードの全文配布は便利‥だけど 2005-12-17 [permalink] [?B] はてなブックマーク

RSSなどでBlogの更新情報を配布するのが当たり前になって久しいですが、Blogを書いていながらもRSSが何なのかわかっていない人もいたり、RSSアグリゲータの認知度もそれほど高くない現状を思うと、まだまだ普及しているとは言い難いんじゃないかと。

私自身、RSSの仕様そのものは詳しくないのですが、Blogツールを利用する以前はRSSをテキストエディタで書いてましたので、Blogを運営している以上はこのくらいは知っておいても損をしないのでは、という程度に解説しておきます。RSS自体をよく知らない人は、自分のBlogが生成しているRSS Feedのソースを一度見てみると良いかもしれません。

RSSは一般的にはRich Site Summaryの略とされ、サイトの概要を記述するxmlだと考えれば分かり易いと思います。Blog等でよく見られるRSS 1.0は、サイトの基本的な情報を記述するchannel要素と、channelのitems要素で記述したURIの具体的な内容を記述するitem要素の2つによって構成されています。Blog的に言うならば、item要素へ各エントリのタイトルやリンク、そして概要が記述されていることになります。

item要素内のtitle要素がページタイトル(エントリのタイトル)、link要素がエントリのURI、description要素は概要文となっています。またDublinCoreモジュールを利用しdc:date要素で更新日時を記述することも可能です。

description要素はあくまで概要文ですので、全文や比較的長い文章をRSSで配布する場合はcontentモジュールを使い、content:encoded要素を利用します。またCDATAセクション内に記述する事によりマークアップをそのまま含める事も可能です。

で、本題のcontentモジュールcontent:encoded要素によるBlogエントリの全文配布。これを採用していないBlogサービスもあるようですが、個人的にはとても便利だと思うのです。私がこれを意識し始めたのは、結構前の事になりますがRSS による全文配布(えむもじら)を読んでからでした。始めはただの真似っ子で自分もcontentモジュールで全文を書くようにしようと、ただそれだけだったのですが、その後オンラインのRSSアグリゲータを利用し幾つものフィードを読んでいるうちに全文配布の便利さに気付きました。

当たり前なんですが、フィードに全文入っていれば、わざわざリンクをクリックしてサイトを閲覧する必要がなくなるんです。またRSSアグリゲータて読む場合は、見栄え的なものも統一されますので妙なデザインのBlogでも気にならず本文だけに集中できます。

また、これは非常に個人的な事ですが、description要素の概要しか記述されていないRSSは、わざわざページを読みに行くのが面倒でそのうち見なくなってしまう、ということもあります。リンクをクリックする事すら面倒に感じるって事ではなく、オンラインのRSSアグリゲータで一つのページに集積された記事を読んでいる最中に概要文のみのエントリがあったとして、後で読もうと思いつつ忘れてしまうってのが正直なところ。

と、ここまでは読者側から見た全文配布の利点ですが、ページ制作者側からすればページを直接見てもらえなくなるので、カウンタが回らない|サイトデザインを無視される|アフィリエイトが云々|PV数が把握できない、等の不満も出てきそうです。しかし、Blogや日記である以上、本文を読んでもらえるのが最も嬉しい事のはずなので、閲覧方法は違えどその選択肢が増えることは決してマイナスにはならない。把握出来ていなくても、潜在的な読者は確実に増えるはずです。

良い事ずくめのようですが実際には全文配布でもあまり便利でない、という状況もあります。content:encoded要素CDATAセクションへマークアップを含めた全文を記述してあっても、span要素などの汎用要素へCSSのclassセレクタで装飾してあるテキストは、RSSアグリゲータで閲覧するとただのプレーンテキストで表示されるという欠点もあります。テキストに過剰な装飾を施している文章は個人的にあまり好きではないのでそれが適用されなくても問題ないのですが、特別な意味のある部分‥たとえば引用部分をdivで括ってCSSで装飾とか、そんな変なマークアップを行っている場合、そこが引用であるという区別が付かず判読性が低下する事にもなります。また、img要素src属性へ記述する画像のURIはフィードの場合、相対パスでは画像が表示されないので絶対パスが望ましいのですが、サーバによっては画像の外部呼び出しを禁じているところもあり、結局は画像表示がされない場合もありえます。

書き手が気をつけていればどうにかなる部分、サーバの都合でどうにも出来ない部分、そういったものがあるので、フィードの全文配布だけで読者の利便性が向上するとまで行かないのかもしれません。

ちょっと話は変わりますが、最近ではオンラインのRSSアグリゲータのサービス‥はてなRSSのようなものも多く存在しますし、他にもMagpieやXML_RSSでフィードを取得して自サーバのページ内に集積して表示させたりするケースもあるかと思います。こんな場合、もしかすると‥‥

「記事が無断転載されてる!酷い!著作権法違反!ついでに無断リンク禁止!」

なんて反応をする方がいないとも限りません。リンク禁止云々はアレですので放置するとして、RSSフィードで配布されている記事の全文をオンラインのアグリゲータで表示する場合、これは転載無断転載になるのでしょうか?転載には違いないけれど、RSSフィードを配布している以上少なくとも無断ではないと解釈したいところですが、やはりRSSを取得して表示する許可が必要なんでしょうかね?RSS自体への理解が薄い層(というかRSSそのものが何かを知らない層)だと、あながち冗談では済まなそうで怖いです。

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